生活習慣病

生活習慣病とは

生活習慣病とは偏った食生活や過度なストレス、喫煙、飲酒などの生活習慣が原因で発症する疾患で、おもに高血圧症やメタボリックシンドローム、糖尿病、脂質異常症などがあります。これらの生活習慣病にかかると、がんや脳血管疾患など、命に関わる疾患の発症リスクも高くなります。

高血圧

健康な人でも一時的に血圧が高くなることはありますが、高血圧になると、血圧(血流が血管にかける圧)が高い状態が慢性的に続きます。高血圧になると血管への負担が大きくなるので、動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳梗塞など、命に関わる疾患の発症リスクが上昇します。

治療

家庭血圧を測定しながら、塩分の量を減らす(目標:一日6g以下)食事療法、運動療法を行い、必要に応じて薬物治療も行います。運動療法では、患者様の年齢や体力に合わせた運動メニューを提案いたしますのでご安心ください。

糖尿病

血糖値が高くなる疾患です。50歳以上になると発症者数は増え、70歳以上になると男性の22%、女性の17%が糖尿病にかかっていると報告されています。
糖尿病は先天的なタイプもありますが、患者の多くは生活習慣によって発症する「二型糖尿病」に該当します。自覚症状に乏しく、喉の渇きや倦怠感、尿量の増加などが現れたころには、すでに糖尿病が進行しています。糖尿病は3大合併症と呼ばれる神経の障害、眼の障害、腎臓の障害を引き起こします。また、心臓病や脳卒中など死亡リスクに関係する動脈硬化を引き起こします。

治療

薬物治療を行いながら、食事療法や運動療法など、生活習慣の改善を中心に行います。当院では管理栄養士と手を組み、患者様のライフスタイルに合わせた食生活・運動の指導を行い、症状を改善させます。

 

脂質異常症

血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)や中性脂肪の数値が基準値よりも高い、またはHDLコレステロール(善玉コレステロール)の数値が基準値よりも低い状態をいいます。
自覚症状に乏しく、放置すると動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳梗塞などの発症へとつながります。

治療

脂質の量を減らす食事療法と運動療法を行います。また、投薬が必要な患者様には、薬物治療も一緒に行います。

メタボリックシンドローム

メタボリックシンドローム単なる「肥満」とは異なり、内臓脂肪が溜まった状態です。加えて、「血圧が高い」「血中の脂質が多い」「血糖値が高い」のうち、二つ当てはまっている方が「メタボリックシンドローム」になります。 糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病を複数発症しているケースもあり、動脈硬化の進行リスクが高い状態です。
現在、日本では、男性の20~25%、女性の5~10%がメタボリックシンドロームに該当すると報告されています。

治療

併発している生活習慣病もあった場合はその治療も行いながら、減量を行います。
治療方法は主に食事療法と運動療法です。

生活習慣病の予防について

食事について

食事について

カロリーと塩分、脂質の量に気を付けた食生活を送りましょう。
目標体重を決めるなどの目標を設定し、現在の食事・食生活を振り返り、問題点を洗い出します。
そして、やる気が継続できるためのしかけを工夫し、目標達成に向かって活動を行います。
お一人では計画がうまく立てれない、継続する事が難しいなど、お悩みの方はお気軽にご相談ください。
当院にてお一人お一人にあったサポートを行わせて頂きます。

「一日に必要なカロリー量」と「標準体重」は、身長によって変わります。
これらは以下の計算方法で算出できます。

  • あなたの標準体重=身長(m)×身長(m)×22(BMI)
  • あなたに必要なカロリー量=標準体重×30kcal(※)

※の数は、患者様の日常の活動量によって変わります。

ほとんど座っている仕事が多い:25~30kcal
接客・家事など、立った状態で行う仕事が多い:30~35kcal
農業や建築、漁業など身体を動かす機会が多い仕事が多い:35~40kcal

運動について

運動療法を行うことで、糖尿病や脂質異常症、メタボリックシンドロームの改善が期待できます。ただし、持病によっては運動制限がある場合もあるため、医師へ相談してから行ってください。
運動療法では主に、散歩や軽めのジョギングなど、有酸素運動を中心に行います。
継続しておこなう事が重要です。

たばこについて

生活習慣病の治療において、禁煙は必須です。喫煙には、血圧上昇や動脈硬化をもたらす上に、HDLコレステロールを減少させます。また、若い頃から喫煙すると、ニコチンによる悪影響が大きくなります。
禁煙を行うと、心筋梗塞や脳梗塞の発症リスクを軽減することが可能になり、肺機能が回復するメリットも得られます。もし自力での禁煙が難しい場合は、禁煙外来をご利用ください。

日常生活で気を付けること

過度なストレスや不規則な睡眠リズムも、生活習慣病を引き起こす要因になります。仕事や生活でのイライラを鎮める方法を探したり、決めた時間帯での就寝・起床を心がけましょう。