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2022.06.01

介護保険の仕組みとは

社会全体で支え合う介護保険

日々、健康に過ごされている方でも病気や加齢により日常生活で介助や介護が必要になるときが来るかもしれません。そのときに利用できるのが介護保険制度で、高齢者の介護をみんなで支え合う事を目的に作られた仕組みです。介護が必要と認定されると費用の一部を負担することで介護サービスが受けられるように皆で保険料を負担していきます。加入は義務付けられ、40歳以上の方は全員が被保険者として加入し、介護保険料を負担します。
65歳以上の「第1号被保険者」は、年金が年額18万円以上の方は年金から天引きされる「特別徴収」と年額18万円未満の方は、金融機関などから納付する「普通徴収」に分かれ、納め方を選ぶことはできません。
40歳から64歳までの「第2号被保険者」は加入している健康保険料と一緒に徴収されます。事業主は、その半分を負担します。医療保険と同様に被扶養配偶者は収める必要がありません。
国民健康保険に加入している方は、国民健康保険料の「医療分保険」と「後期高齢支援分保険料」を合わせて支払います。

介護保険被保険者証について


65歳の誕生月に介護保険の加入者であることを証明する「介護保険被保険者証」が一人ひとりに市区町村より郵送で交付されます。医療機関で提示する健康保険証とは別のものです。
40歳から64歳の方には交付されませんが、特定疾病に該当し、要支援・要介護認定を受けた場合は交付されます。

介護サービスを受けるには

①要介護認定を受けるための申請を行います

介護保険サービスは、介護保険被保険者証を提示すれば受けられるわけではありません。まず、要介護認定を受けて、「要介護」または「要支援」の判定をもらう必要があります。介護認定は、介護保険サービスの利用希望者に対して「どのような介護が、どの程度必要か」を判定するためのものです。
認定を受けるには、お住まいの市区町村にある介護保険担当窓口や地域包括支援センターに相談し「介護保険要介護・要支援認定申請書」を提出します。申請や相談は、ご本人またはご家族が代わりに行うことも出来ます。

②申請書を提出すると要介護認定の調査がはじまります

一次判定では、役所から認定調査員がご自宅や施設等を訪問して、ご本人に日常生活の状況を聞き取り、身体機能のチェックが行われます。また、かかりつけ医が作成する主治医意見書も必要です。これらをもとに全国一律の判定方法で、介護にかかる時間(要介護認定等基準時間)を推定し、この時間をもとに7段階に分類します。

申請書を提出すると要介護認定の調査がはじまります

この要介護度(要支援度)に応じて、介護保険で使えるサービスの種類や使える量が決まります。
二次判定では、一次判定の結果と主治医意見書をもとに、介護認定審査会が審査判定を行います。その後、要介護認定の申請日からおおよそ30日以内を目安に認定結果通知書と認定結果が記載された被保険者証が送付されます。

介護保険サービスの内容を決めるケアプランの作成

要介護(要支援)サービスを利用するには、サービス計画書(ケアプラン)の作成が必要です。
ケアプランとは、どのような介護サービスをいつ、どれだけ利用するかを決める計画のことです。
介護認定で要支援1や要支援2と認定された方は、お住まいの市区町村の市域包括支援センターに相談したあと、 要介護にならないための予防給付サービスが受けられます。また、訪問介護やデイサービス、住宅改修なども利用できます。ただし、支給限度額が要介護の方より低く設定されます。
一方で、要介護1~5の方は、居宅サービスを利用する際の介護サービス計画書の作成を介護支援専門員(ケアマネジャー)のいる県知事の指定を受けた居宅介護支援事業者(ケアプラン作成事業者)へ依頼します。
自治体から地域で活動しているケアマネージャーのリストを貰えます。ケアマネージャーに本人や家族の希望、生活する上で困っている事を相談すると、ケアマネージャーは要望に添ったケアプランを作成します。ケアプランが決まると、それに基づいてサービスが受けられます。
また、介護保険施設サービスの利用にあたっては、介護保険施設に相談すると、施設の介護支援専門員がケアプランを作成します。介護施設には特別養護老人ホーム(特養)、リハビリを中心とした「介護老人保健施設(老健)」、長期入院して療養する「介護医療院・介護療養型医療施設」の3種類があります。いずれも要介護の認定を受けた方が対象となります。

日常生活での不安や困りごと、また介助や介護が必要になった時、介護サービスを受けるためには、以上の様な手続きと日数が必要になります。お早めにお住いの市区町村の窓口に相談しておくと良いでしょう。