皆さんは、普段1日の食事でどれくらいの塩分を摂取しているでしょうか?
日本人の食事摂取基準2020年版では、1日の塩分摂取量の基準は、男性7.5g未満、女性6.5g未満となっていますが、実際の塩分摂取の平均値は男性10.9g、女性9.3gと非常に多い結果になっています。
さらに高血圧治療ガイドライン2019では、高血圧症の方は1日6g未満を推奨されています。
塩分を取り過ぎると・・・
しかし、摂取する塩分が多すぎると体内の塩分濃度が上昇し、体液量を増やして塩分を薄めて調整しようと働きます。そうすると血液量が増えて血圧が上がります。
また、血液は腎臓で濾過・再吸収され、不要なものは尿から排泄されますが、塩分が多い状態が続くと腎臓の細かい血管は動脈硬化をきたし、腎臓の機能が低下していきます。そうなると塩分・水分の排出がうまくいかなくなり、血液量が増えて血圧が上がってしまいます。
意識して1日6g未満になるように挑戦してみて下さい。
それでは、調味料・加工食品に含まれる塩分量に目を向けてみましょう。
調味料の塩分量(※小さじ1あたり、カレールーは1個当たり)
※横スクロールで全体を表示
食塩 6g |
濃口しょうゆ 0.9g |
合わせみそ 0.7g |
ポン酢 0.4g |
ケチャップ 0.2g |
マヨネーズ 0.1g |
和風ドレッシング 0.4g |
コンソメ顆粒 1.1g |
和風だし顆粒 1.2g |
カレールウ 2.1g |
加工食品の塩分量
※横スクロールで全体を表示
食パン5枚切り1枚 0.9g |
ゆでうどん1玉 0.6g |
中華麺1玉 0.4g |
クリームパン1個 0.9g |
カレーパン1個 1.7g |
クロワッサン1個 0.6g |
塩鮭1切れ 0.9g |
アジの干物1枚 1.8g |
梅干し1個 1.7g |
キムチ1人(50g) 1.1g |
たくあん1切れ 0.3g |
シュークリーム 1個 0.2g |
ドーナツ1個 0.6g |
ポテトチップス 1/3袋 0.2g |
しょうゆ煎餅1枚 0.3g |
ハム2枚 0.6g |
ベーコン1枚 0.3g |
餃子5個 1.5g |
ハンバーグ1個 1.8g |
グラタン1人分 1.8g |
コロッケ1個 0.8g |
エビフライ2尾 0.2g |
ピラフ1食(150g) 1.4g |
※メーカーによって違いがあるので、商品パッケージに記載されている「食塩相当量」を確認してください。
そんなに塩分が入っているの?と感じられた調味料や普段からよく食べられている食品があったかもしれません。1日に摂取する塩分量のうち約7割が調味料由来と言われています。
また、毎日の食事にはハムやベーコンなど多くの加工食品が使われています。加工食品は食塩が多いことで保存性があがり、調理の手間や時間の短縮ができてすぐに食べられる便利な食品です。しかし、その反面、自分で味付けするわけではないので、無意識のうちに多くの塩分を摂取してしまいます。さらに塩気を感じることが少ない菓子パンや洋菓子にも食塩は入っています。
調味料や加工食品に含まれる塩分量を知っているとご自身の塩分摂取量も把握しやすくなり、摂り過ぎにも注意できます。食事は毎日のことなので、目分量で入れていた調味料を一度計量したり、加工食品はパッケージ記載の塩分量を確認する習慣をつけられるといいですね。
- – 参考文献 –
日本食品標準成分表2016年版(七訂)
令和元年 国民健康・栄養調査
日本人の食事摂取基準2020年版
高血圧治療ガイドライン2019